2018/1/7
スピーカーのウレタンエッジは経年劣化によりボロボロになると知って、 PC机で使っている BAND & OLUFSEN VEOVOX CX50 のネットを外して見たところ、 ウレタンは穴だらけ、触ると粉になって落ちてきました。
image
コーン紙のふちに残っていたウレタンを取り除いた後です。 下に落ちているのは、接着剤の部分です。
スピーカーサイズに合うエッジを探すと、在るけどセットで3000円越えと 結構高かったし、劣化するのがわかっていて使うのもいやだったので、 自作してみました。

最初は失敗でした。以下失敗その1。
半分に切ったバックアップ材を、ダンボールに貼り付けた両面テープの 上に貼り付けました。
image
ネットの裏に白のエッジが透けると見栄えがよくないので、 マジックでガーゼに色をつけてから型の上に貼りつけて、のりをたらしました。
image
のりが乾いてからガーゼを剥がしたら、のりが両面テープにくっついて ガーゼがぼろぼろになりました。
image
この後、目の細かいYシャツ生地で試しましたが、乾いたらパリパリ状態で 弾力性が全く無く、エッジとしては使えませんでした。(下のほうに写真あり) アラビックのりはここで断念。

ぼろ布の中から柔らくて目の細かいのを選んで、もう一度挑戦しました。
両面テープの粘着力+のりの接着力で、布が強力にくっついてしまったので、 今回は両面テープはバックアップ材の貼り付けだけに使い、 布の貼り付けには剥がせるスティックのりを使いました。
image

シリコンシーラント黒をラッカーうすめ液を2:1くらいの割合でゆるめてから、 ハケで厚めに塗って、乾かしたらちょうどよい弾力と復元性になったようです。
ダンボールに書いた切り取り線は、シーラントの色で見えなくなるので、 あらかじめ切り取るサイズの型紙を用意しておき、これに合わせて布を 切り出しました。
内側切り出し中。奥はエッジ部を切り出し終わったあとです。
image
外側切り出し中。
image
いい感じにできました。
指で軽く押すと変形し、指を離すと元の形に戻ります。
image
左が柔らか布+シリコンシーラントで作ったエッジ、右がYシャツ生地+アラビックのりです。
image
スピーカーの上に仮置きしたところ。ぴったりです。
image
コーン紙のふちとエッジ内側にセメダインスーパーXを薄く塗って、 エッジが変形しないようにそーっとのせて貼り付けます。
エッジ外側を持ち上げて、スピーカー本体にスーパーXを薄く塗って、 そーっとエッジを戻して貼り付けます。
接着剤が完全に乾いたら完成です。
image

すかすかしていた低音が、張りのある音になりました。

sin波を出力させて、サウンドチェックを行いました。 私の耳だと下の結果となりました。
17kHz 聞こえない。
16kHz 12時までボリュームを上げると聞こえる。
15kHz 11時までボリュームを上げると聞こえる。
14kHz 9時までボリュームを上げると聞こえる。音楽を聴くときがこのくらい。
13kHz 8時までボリュームを上げると聞こえる。
12kHz 7時のボリューム位置で聞こえる。

64Hz 7時のボリューム位置で音が鳴っているのがわかる。
60Hz 9時までボリュームを上げると聞こえる。
56Hz 10時までボリュームを上げると聞こえる。
50Hz 11時までボリュームを上げると聞こえる。
42Hz 12時までボリュームを上げると聞こえる。

これ以上ボリュームを上げてスピーカーが壊れるのがこわかったので、 12時の位置で何Hzまで聞こえるかを試しました。
36Hz 聞こえる。お腹が震えるような感じ。
32Hz なんとなく鳴っているのがわかる。
30Hz わからない。

修理前にこのテストを行っていなかったので比べられないのですが、 自分で修理してこれだけ音が出ていれば十分満足です。


買った材料(レシートを捨ててしまったので、値段はだいたいの数値)
バックアップ材Φ8mm 300円
シリコンシーラント黒 200円
ラッカーうすめ液 320円
アラビックのり 100円
ガーゼ 100円

数年前に玄関のタイルの目地修理をしたときに、コーキングガンを買っていました。 これがないとシリコンシーラントをチューブから押し出せないです。


戻る